片付けの習慣はとても重要です。幼児の頃からきちんとしつけないと、成長してからも片付けられない大人になってしまう恐れがあります。この記事では、幼児に片付けの習慣をつけさせる具体的な方法をご説明します。
幼児に片付けの習慣をつけることはとても重要!
大人を対象とした片付けの本がブームになっています。「断捨離」という言葉もよく聞きます。豊になり、モノが溢れている時代だからこそ、片付けの重要さがクローズアップされているのです。
マネジメントコンサルタントという仕事をしていても、業務効率を高める基礎は片付けにあると言うことができます。改善(Kaizen)で有名なトヨタをはじめ、日本の製造業では、昔から「5S」という用語が重視されてきました。
Seiri(整理)・Seiton(整頓)・Seisou(清掃)・Seiketsu(清潔)・Sitsuke(躾)のことです。これは、まさに片付けの具体策です。片付けなくして、生産性の高い仕事はできないと言っても過言ではありません。
個人ベースで見ても、仕事のできる人は、片付け上手な人です。テレビドラマなどを見ていると、仕事ができる主人公の机の上に書類が山のように積み重ねられているシーンが登場することがありますが、これは主人公の個性的な人格を強調するための演出です。
実際のビジネスの現場では、有能な人材の机の上は、きれいに片付けられています。片付けておかないと、仕事のミスか生じる可能性が高まるからです。自分の周囲の整理整頓ができない人に、重要な仕事を任せられないことは、言うまでもありません。
それでも、片付けが上手な人と、下手な人がいることは確かです。片付けは習慣の要素が大きいので、普段から片づける習慣を身につけておけば、手がつけられないほど散らかってしまうことはないのです。
幼児の頃から片づけの習慣を身につけさせましょう
大人になってから片付け上手な人になるようにするには、幼児の頃から片付けの習慣を身に付けさせることがとても大事です。小さい頃から始めれば、片付けはそれほど難しいことではないのです。
片付けという概念を理解するのは、1歳くらいからです。なぜならば、遊び方を観察していると、丸や四角の穴のあいた積み木に、ぴったり入る積み木を組み合わせる玩具で遊べるようになるのは、1歳くらいからだからです。
つまり、1歳くらいになると、ここにはこれを入れるという概念が理解できるようになるということです。このような概念は、片付けの基本的な要素です。ただし、当然ながら、親が片付けるように命じても、自分で片付けられるという意味ではありません。
年齢別にどのようにして片付けの習慣を教えていけばよいかを一緒に考えていきましょう。
1歳未満の頃
先にも述べたように、1歳未満では、まだ片付けという概念をまったく理解できません。したがって、この頃は、片付けごっこをするくらいで十分です。親と一緒に玩具を箱などに入れたり出したりして遊ぶという感覚です。
実際には、ほとんどの玩具を親が箱に入れたとしても、全部の玩具が箱に入ったら、「きれいに片付けられたね」などと言って、ほめてあげましょう。片付けは楽しいという感覚を持ってもらえたならば、それで上出来です。
1歳の頃
1歳になると、ここにはこれを入れるという概念を理解できるようになります。したがって、「このおもちゃのお家はここだよ」というと、その意味を理解します。
まだ、一人で片付けができるほどの能力はないので、親が子供に「このおもちゃのお家はどこ?」などと聞きながら、一緒に元の場所に戻すようにします。遊んだ玩具は元の場所に戻すという感覚が身につけば十分です。
2歳の頃
2歳になると、ここにはこれを入れるという概念にしたがって、ある程度、自分で片付けができるようになります。ただし、もちろんまだ自分一人で進んで片付けるという段階ではありません。
おもちゃの箱に、大きめのイラストを描いたラベルを貼っておいて、これはここに入れるということがひと目でわかるような仕組みを作ってあげましょう。親がサポートしながら、すこしずつ自分で片付けるウエイトを高めていきます。
3歳の頃
スペースにもよりますが、おもちゃの分類をほんの少しだけ細分化します。そして、これまでと同じように、箱にはイラストを描いたラベルを貼っておきましょう。
この頃になると、できるだけ自分で片付けるように、見守ってあげます。もちろん、子供の集中力はすぐ途切れるので、親がサポートしながら、最後までやり遂げるように、励ましの声をかけてあげます。
幼児に片付けを身につけさせるために注意する点
片付けを身につけさせるための基本的な心構え
年代別の片付けについてご説明しましたが、幼児に片付けを身につけさせるために、次の点を心掛けてください。
一方的に叱らない
「おもちゃを片付けなさい」と一方的に指示や命令をするのは厳禁です。片付けのやり方がわからない段階で、一方的に叱られても、何をどうしてよいのかわからず、嫌な気持ちになって、片付けそのものが嫌いになってしまいます。
片付け方を具体的に教える
子供の目線に立って、会話をしながら、片付け方を具体的に教えるようにします。例えば、「この車のお家はどこかな?」「この車はお家に帰りたがっているよ」などと言いながら、一緒に片付けるようにします。
分類は段階的に進める
あまり厳密な分類による片付けは、子供にとって難しすぎて無理があります。無理は長続きしません。最初は大雑把な分類から始めて、年齢に応じて、段階的に分類をほんの少しずつ細分化していきます。
片付け終わったらほめてあげる
年齢に応じて親のサポートの度合いは変化させていきますが、いずれにしても片付けが終わったら、思いっきりほめてあげましょう。ほめられると嬉しくなって、片付けることはよいことなんだな、片付けると気持ちがいいなと思うようになります。
片付けやすい環境を作ってあげる
片付けに関しては、子供への接し方以外にも、親がやってあげなければならないことがあります。それは、できるだけ片付けやすい環境を作ってあげることです。
玩具を片付けやすい量に調整する
片付けようと思っても、どんどん玩具が増えていって、棚や箱にぎっしり詰まっていたら、出したり入れたりが困難になってしまいます。玩具は常に一定の量、すなわち片付けやすい量になるように、古い玩具や使わなくなった玩具は処分して、適切な量になるように調整します。
遊ぶスペースを決めてあげる
いつも部屋中に玩具を広げて遊んでいては、玩具をしまうのも大変で、やる気がなくなってしまいます。そんなときは、部屋にラグを敷くなどして、この中で遊ぶように、遊ぶスペースを決めてあげます。
片付けやすい収納方法にしてあげる
片付けるときに、開けにくいふたがついていたり、少し高い所にしまわなければならなかったりしたら、子供の意欲が喪失してしまいます。全体のスペースにもよりますが、子供目線に立って、子供が片付けやすい収納方法にしてあげることが大切です。
まとめ
幼児に片づけを身につけさせるに当たって大事なことは、片付けを遊び感覚にすること、片付けは楽しい、片付け終わると気持ちがいいことを覚えさせることです。この感覚が身につくことが重要です。
物心がつく頃から、片付けの習慣を教えていくと、遊んだら片付けるという習慣が身につき、いつのまにか遊ぶことと片付けることがセットとなって定着していきます。
幼児の頃から片付けの習慣が身につくと、大人になってから大事な財産となります。この記事を参考に、ぜひ無理なく長い目で習慣化するように教育していただければと思います。
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