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脳の構造

脳科学から見た子供のコミュニケーション能力とは?能力を高めるために親がやるべきこと

人間が生きていく上でコミュニケーション能力は極めて重要です。子育ての大きなテーマでもあります。この記事では、子供のコミュニケーション能力を高めるために、親は何をすればよいのかについてご説明します。

脳科学から見た子供のコミュニケーション能力とは?

コミュニケーション

子育てをしているご両親の中に、自分の子供のコミュニケーション能力に不安を持っている方がいらっしゃいます。例えば、次のようなお悩みを抱えています。

  • 内気なために自己主張ができず、いつも友達に押し切られてしまう
  • 口数が少なく、複数の友達の中にいると、ほとんど話さない
  • 友達とワイワイ遊ぶより、一人でいるほうが好きなようだ
  • 発表会などで人前に出ると、声が小さくて堂々と話すことができない
  • 習い事でわからないことがあっても、先生に質問ができない

この記事は、このようなお悩みを持っているご両親にご覧いただきたいと思います。

コミュニケーション能力の定義

最初にコミュニケーション能力の定義を明らかにしておきましょう。コミュニケーションとは、『意思疎通』のことです。つまり、コミュニケーションとは、こちらの意思を伝えることと、相手の意思を理解することで成り立ちます。

したがって、コミュニケーション能力の定義は、『意思疎通ができる能力』ということになります。

冒頭のお悩みをよく読んでいただくとわかるのですが、意思疎通をするためには、「話すこと」すなわち「言語」がすべてだと考えるのが一般的ですが、実は言語以外にも、必要な能力があります

それは、相手が注視するものに自らも注意を向けたり、相手が注視する意図を理解する能力です。これを脳科学では、『共同注視(ジョイント・アテンション)』と言います。

実は、人間には、幼児期からこの能力が備わっています。1歳くらいになると、親が見つめたり、指さしたりした先を目で追って、その対象物をみつけることができるようになります。

また、自らも離れたところのものを指さし、「あれが欲しい」とか「あれを取って」とかいうメッセージを伝えるようになります。それだけではありません。指をさしながら、ママのほうを振り向いて教える仕草もするようになります。

これは、自分が見つけたものを、ママに伝えて、確認や共感を求める行為です。このように共感や感動を自分以外の人と共有しようとする行為は、人間だけが行うことができるコミュニケーション能力です。

「マキシ課題」でわかる相手の考えを類推する能力

コミュニケーション能力の重要な要素である、相手の考えを類推したり、相手が自分とは違う考えをもっていることを理解する能力は、何歳くらいから芽生えるのでしょうか。ちなみに脳科学では、このような能力を『心の理論』と呼んでいます。

これに関しては、1983年に行われた「マキシ課題」と言われる実験が有名です。次のような人形劇などを子供に見せて、質問をします。

ポイント


・マキシという名前の子供が、チョコレートを緑の戸棚にいれました
・マキシがいない間にお母さんがチョコを青い戸棚に移しました
・戻ってきたマキシは、緑と青のどちらの棚を開けてチョコを探すでしょうか?

「人形劇を見ている自分は、チョコレートが青い戸棚に入っていることを知っているが、マキシはそれを知らない」ということ、だから「マキシは緑の戸棚を探すだろう」ということが理解できるかどうかのテストです。

結果は、3歳児では0%しか理解できませんでした。4歳児になると、57%の子供が理解できました。このことから、自分の考えと相手の考えが違うことがわかり、相手の立場に立って、その心が理解できるようになるのは、4歳くらいになってからだと言うことができます。

ちなみに、脳科学から見ると、このような能力に関わっているのは、右半球の前頭野連合であることが判明しています。

能力を高めるために親がやるべきこと

コミュニケーション2

内気な性格や口数の少なさをコミュニケーション能力と切り離す

まず、内気な性格や口数が少ないことと、コミュニケーション能力を切り離して考えるようにします。無理に、積極的な性格に変えようとか、たくさん話させるようにしようとすると、逆効果になる可能性が高いです。

性格は個性であり、簡単に変えられるものではありません。素直に、お子様のありのままの性格を認めてあげることからスタートしましょう。重要なのは意思疎通ができるかどうかですから、その一点に絞って確認と改善に取り組みます。

先にもご説明したように、意思疎通は言語能力だけではありませんから、たとえ内気で口数が少なくても、他人の話をきちんと聞いているようならば、何も心配はありません

もし他人の話をきちんと聞けないようであれば、これはコミュニケーション能力に問題がありますから、親が注意してなおさせる必要があります。これは内気で口数が少ない子供よりも、むしろ積極的でよく話す子供に見られる傾向です。

このことからも、内気や口数の少なさと、コミュニケーション能力とは必ずしもイコールではなく、切り離して考えるべきだということをご理解いただけると思います。

また、確かに口下手な子供(大人でも?)もいますが、人前で話したり、論理的に話したりすることは、訓練すればできるようになるので、この点についても心配しなくて大丈夫です。

子供の話をよく聞き、共感するようにする

それでは、話す能力のほうはどうすればよいのでしょうか。まず、相手の話をよく聞ける子供は、話す能力に関しても潜在能力は高いということを知っておいて下さい。

なぜならば、話をよく聞いれば、わかりやすい話し方とわかりにくい話し方を区別できるようになるからです。どのように話せば相手に伝わりやすいかを理解しているのですから、あとは話す体験を積み重ねればよいのです。

子供に話す体験をさせるためには、子供が話始めた頃から、できるだけ子供の話をよく聞いて、共感するようにすることが大切です。親が自分の話を聞いてくれているという安心感があると、子供はよく話すようになるからです。

そして、自分の話に相づちを打って、共感してくれると嬉しくなります。「話を聞いてくれる→共感してくれる→嬉しくなる」というサイクルを回すことで、子供のコミュニケーション能力は高まっていきます。

家族の間で、お互いに相手の話をよく聞くという習慣があれば、必ずお子様のコミュニケーション能力にプラスの影響を与えます。

子供が長く話せるような質問をする

話を聞いてあげようとしても、すぐに話が終わってしまうお子様には、子供が長く話せるような、適切な質問をしてあげます。例えば、次のような質問です。

  • 今日は幼稚園(又は学校)で、どんなことをしてきたの?
  • 公園には誰がいた?何をして遊んだの?
  • サッカースクールで何を習ってきたの?

お子様が話始めてからも、相づちを打ちながら、さらに話が弾むような質問をしてあげるとよいでしょう。

また、一緒に本を読んで、本について質問してあげることも効果的です。これは絵本でも同じなので、幼少の頃から続けます。主人公の気持ちや、なぜそのような行動を取ったと思うか、行動の理由などについて質問します。

人前では緊張しないように気配りする

親子や兄弟の間では、よく話せるのだけれど、他人の前では、何も話せないというお子様がいます。その点を心配しているご両親も多いことかと思います。

親や兄弟と話せるのであれば、コミュニケーション能力を心配する必要はありません。他人と話すことに慣れていないだけです。その理由は、緊張してしまうからです。

他人とも話せるようにするためには、訓練をして経験を積ませることが必要です。まず、大きな声ではっきり挨拶を言うことから始めます。挨拶することで、相手も反応してくれるので緊張がほぐれます。親が見本を見せながら、自分から挨拶をするように訓練することが大切です。

発表会など大勢の前で話したり、パフォーマンスを披露したりすることも、訓練で可能になります。コミュニケーション能力を高めるためには、大勢の前で発表する機会のある習い事をさせるとよいでしょう。

例えば、ダンススクール、音楽教室、プログラミング教室などは、いずれもコンクールなどがあり、発表の機会があります。最初は緊張していても、慣れれば人前でも能力を発揮できるようになります。

まとめ

お子様のコミュニケーション能力を高めるためには、無理に性格を変えようなどと思わずに、親としてできることをしっかりやってあげることが大切です。よく話を聞いてあげる、適切な質問をしてあげるなど、基本的なことを繰り返すことです。

そして、他人とのコミュニケーションンは、挨拶から始めます。挨拶が上手にできたら、ほめてあげましょう。仕上げは、習い事です。発表会などで話をしたり、パフォーマンスができたら、ほめて自信を付けさせてあげましょう。

コミュニケーション能力は、訓練で上達するので、あまり心配することなく、親としてできるだけ子供に経験を積ませるような育て方をしていけば、やがて自ずと成長していきます。

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