子供のストレス
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脳の構造

子供のストレス原因は何か?脳の育成に重要なセロトニンとは?子供のストレスの解消法

子供のストレスを見逃してはいけません。幼児期は特に注意が必要です。脳の育成に重要なセロトニンが減ってしまうからです。子供のストレス原因と解消法を知りたいパパとママは、ぜひご覧になって下さい。

子供のストレスの原因は何か?

ストレスの原因

子供も大人と同じようにストレスを感じます。いや、子供のストレスは大人以上かもしれません。大人はストレスを感じたら、自分で解消するように行動します。しかし、幼い子供はストレスという認識ができず、解消法も知らないからです。

ストレスが何歳から感じるのかという明確なデータはありませんが、1歳後半から始まるイヤイヤ期には、明らかにストレスを起こしていることがわかります。それでは、どうして起こるのでしょうか。原因を探ってみたいと思います。

1歳後半くらいからは自分の思い通りにできないから

1歳後半くらいからは自我が目覚めてきますので、「自分はできる」「私がやりたい」という気持ちが強まるのです。ところが、まだこの年齢だと、能力が備わっていなので、「やりたいこと」と「できること」のギャップがストレスを生みます。

言い換えれば、脳の成長に身体がついていかない状態だからです。イライラ期のピークを迎える2歳頃には、この原因による幼児のストレスは最大になります。

3歳から4歳くらいからは友達に我慢する必要があるから

3歳から4歳くらいになると、友達と遊ぶようになります。また、保育園や幼稚園に通い始める子供も多いです。これまで自宅に居た子供が初めての場所に連れていかれるだけでもストレスが発生します。

友達や仲間と共同生活となり、一緒に過ごす時間が長くなります。自分ひとりの遊びでは好き勝手していたのに、友達や仲間と遊ぶときには、我慢しなければならないことが多くなります。そのことがストレスの原因になります。

親の機嫌を損ねないように気を遣うから

親の感情の起伏が激しいと、子供が親の機嫌を損ねないように気を遣うようになります。つまり、親の顔色を見る子供になってしまいます。親に気を遣う子供には、ストレスがたまっていきます。

子育ての最中には、親も強いストレスを感じています。親もストレスがたまって、それを子供にぶつけて、それを受けた子供のストレスがさらにたまるという悪循環に陥ってしまいます。

小学校入学で規律を守る必要があるから

小学校に入学すると、これまで育ってきた環境が一変します。先生の指示命令に従うことが求められ、様々な規律を守ることが必要になります。この慣れない環境への対応が、子供のストレスを生み出します。

さらに、小学生になると、学年が上がるごとに友人関係も複雑になってきます。学校でのイジメやSNSを使ったイジメも起こる恐れがあります。仲間外れになることを避けるだけでも大きなストレスとなります。

脳の育成に重要なセロトニンとは?

脳とストレス

セロトニンとは何か?

脳科学の観点から、子供のストレスを解消することの意義を考えてみます。「セロトニン」という用語を聞いたことがありますか。正式な定義からご紹介します。

セロトニンとは、脳内の神経伝達物質のひとつで、ドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをします。必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつです。視床下部や大脳基底核・延髄の縫線核などに高濃度に分布しています。

他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。セロトニンが低下すると、これら2つのコントロールが不安定になりバランスを崩すことで、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック障害などの精神症状を引き起こすといわれています。

(引用:厚生労働省「健康用語辞典」)

5歳までに基本のつながりが出来上がるセロトニン

セロトニンは、別名「癒しのホルモン」と呼ばれています。セロトニンが作用すると、不安やイライラが消えて、安定した心を取り戻すようになるからです。セロトニンも脳内の神経伝達物質の1つですから、5歳くらいまでに基本的なつながりが出来上がると考えられています。

したがって、5歳くらいまでに、できるだけセロトニンを増やすような生活をさせることが大切です。ストレスが生じると、それを解消するためにセロトニンが使われて減ってしまいます。したがって、幼児のストレスを解消させることはとても重要なのです。

セロトニンの基本的なつながりは5歳くらいで出来上がりますが、それ以降もセロトニンを増やすような生活を心がけることが必要です。セロトニンが活発に働くと、呼吸や自律神経が正しくコントロールできます。

それによって、睡眠のサイクルが整ったり、手足の動きがスムーズになったり、怒りや悲しみなどの衝動を抑えられるようになったり、いいこと尽くめです。メンタルがタフになります。

その逆に、セロトニンの働きが弱まると、情緒が不安定になり、うつ病やパニック障害を発症させる原因となります。セロニトロンは脳内のとても重要な物質であり、ストレスはセロトニンの大敵ということができます。

子供のストレス解消法

ストレス解消

パパとママは、子供のストレスを早期に発見して、解消してあげなければなりません。ここからは、子供のストレス解消法についてご説明します。

早寝早起きで睡眠を十分に取らせる

先程ご説明したセロトニンの分泌は、朝の5時から7時がピークであることが分かっています。その時間帯に、太陽の光を浴びると、セロトニンが豊富に分泌されます。したがって、太陽が昇る時間には目を覚ましていることが大切です。

生後6カ月くらいから昼夜の区別がつくようになりますので、この頃から早寝早起きの習慣をつけさせることが、脳の育成にはとても大切です。そこから成長していくに連れて、年齢に応じた訓練をしていきます。

小学校に入学後も、ゲームなどで夜更かしすることなく、早寝早起きの習慣を守り続けさせましょう。この習慣が、ストレスを解消して心身共に健康でいるために、最も重要なことです。

適度な運動をさせるようにする

1歳前後になったときから、日中は、お庭や公園など、外遊びを積極的にさせるようにします。日光を浴びさせること、お腹を減らすこと、食事をしっかり食べることは、セロトニンの分泌を活発にする要因となります。

子供の年齢が上がるに連れて、外遊びから運動へと変化させていきましょう。小学生になったら、勉強や交友関係などストレスがたまる要因もふえるので、体操教室、サッカー教室、ダンス教室など体を動かす習い事に通わせるのも効果的です。

親が優しい態度で接するようにする

親が自分の感情をコントロールできずにイライラしていると、子供にも伝わって、相互のイライラが増幅します。親は子供に対して、常に穏やかで、優しい態度で接するように心掛けましょう。

特に、幼児のイライラ期には、五分に渡り合うことなく、パパやママは一歩引いて、優しくなだめるようにしてあげます。子供が小学生になっても、親は自分の感情をぶつけるような怒り方を決してしないようにします。

子供が思い通りにならないときも、一方的に怒ってはだめです。親はできるだけ冷静に、子供の言い分もよく聞いてあげて、一緒に解決策を考えるという方法を取ることが大切です。

子供の話をよく聞いてあげる

ストレスを早期に発見するためには、子供をよく観察して、小さな変化も見逃さないようにします。最近、ストレスチェックという言葉をよく聞きますが、ストレスチェック項目を覚えなくても、毎日、観察していれば、必ず変化に気づきます。

そして、子供の話をよく聞いてあげることが大事です。特に、親と離れていた時間をどう過ごしたか、聞く習慣を付けておきましょう。

保育園や幼稚園から帰ってきたら、今日はどんなことがあったか、詳しく話を聞きましょう。その習慣を小学校に入ってからも続けます。子供の交友関係や、どんなことで悩んでいるのかなど、把握しておく必要があります。

また、誰かに話すだけで、ストレスはある程度解消するものです。小学生くらいまでは、親がいちばんの話し相手なのです。子供が少し話したら、頭ごなしに注意したり反論したりすることなく、親は話すのを抑えて、子供の話を最後までしっかりと聞くようにします。

子供との会話で大切なことは、子供のことを否定しないことです。できる限り否定的な言葉は使わず、常に肯定的で前向きな言葉を使って会話しましょう。

子供が辛そうなときは、ただ黙って抱きしめてあげるのも効果的です。親の愛情を感じて、安心するだけで、ストレスはかなり和らぐからです。

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